2歳から小学校低学年くらいまでの幅広いお子様に楽しんでもらえる絵本、「ぜったいにおしちゃダメ?」をご紹介します。
本に興味を持ってくれないとお悩みの方にはぜひ、読んでみてほしい絵本です。
「ぜったいにおしちゃだめ!」と言われるとよけいに押したくなってしまう子供の心理を上手く使った絵本です。
「読む」だけじゃなくて「押す」「振る」「こする」という動作をしながら、子供と一緒に読み進めていける内容になっています。
おしてしまった後、一体どうなるのかも気になるので最後まで夢中になって読んでくれますよ。
地元の小学校に絵本の読み聞かせボランティアに参加して10年以上になります。
仕事で小学校の司書の先生のお手伝い経験有り。
実際に小学生に読み聞かせした時と、息子が3才の時に読み聞かせした時のリアルな反応をお伝えしていきます。
絵本の紹介
『ぜったいにおしちゃダメ?』
ぜったいにおしちゃダメ?
さく ビル・コッタ―
サンクチュアリ出版 定価980円(税別)
お話のあらすじ
「このえほんには1つだけルールがあるよ」
「それはこのボタンをおしちゃダメということ」
冒頭からこんな文章ではじまります。
えほんにルール?
ボタンをおしちゃダメってどういうこと?
もう1文目から興味深々になってしまいますね。
念入りに3回もルール説明があって「おしちゃダメ」と書いてあります。
ここまで言われると絶対おしたくなってしまいますよね。
この絵本に出てくる紫色のキャラクターが「ラリー」。
ボタンをおしちゃダメと言いながら、
「すてきなボタンだね」
「だれもみてないからおしちゃいなよ」
と誘惑してきます。
まさに子供の心境をラリーが表現してくれています。
絵本に出てくる赤いボタンはずっと見開き左のページ中央に描かれています。
ページをめくってもボタンの場所が変わらないので、子供の注意がそれることなく読み進めていけます。
そしてボタンを押してみると…
ラリーが次々に変化していきます。
絵本を読むだけじゃなくて、ボタンを押してみたり本を振ったりこすったり、色んな動作をしながら読み進めていく「読む+遊べる」絵本です。
子供の反応
未就園児
3才の息子に読むと、ニヤニヤしながら押してもいい?と訴えている目でみていました(笑)
おしちゃダメと言われるとおしたくなる欲求を我慢できないという、まさに思った通りの反応でした。
小さな子供はまだ我慢することが難しいので、「おしてみたい!」という欲求を引き出して絵本に夢中にさせてくれます。
指先で質感を感じて、よりボタンがリアルな存在になっていたようです。
小学1.2年生
小学生にもなると、描かれているボタンを押しただけでは何も起きないと頭では分かっているけど、いざ「押してみる?」と差し出すと「どうしよう…」と少し躊躇した様子でした。
押しても大丈夫と分かっていても、3回もルール説明があって絶対におしちゃダメと言われると、少し信じてしまうところもあるようですね。
隣の子と「え、どうしよう?押してみる?」と言いながら恐る恐るポチ…。
ページをめくるまでの一瞬、教室は静まり返っていました。
子供たちのドキドキワクワク感が伝わってきました。
そしてラリーの変わった姿を見てみんな大笑い!
次からはみんな「押したい押したい!」と嬉しそうにせがんでいました。
まとめ
「ぜったいにおしちゃダメ?」は子供の我慢と欲求の心理をうまく使った新しい絵本です。
ボタンの場所やページをめくるたびに変化していきテンポが速いので子供は最後まで夢中で読んでくれます。
読み聞かせをする際には「ボタン押ちゃおっか?」と誘いながら読むと子供がどんな反応をするのか親も楽しみながら読めます。
いけないことをコッソリする時の子供の様子をこんなに間近で見れることは、ななかなないですものね。
あなたもぜひ楽しい絵本の時間をお過ごしください。
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